北里大学医学部教育研究単位病理学(三枝)単位

病理学(三枝)単位

癌細胞を形態変化と遺伝子異常の両面から捉え、新規診断・治療法の確立をめざす

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教育について

医学部3年次の病理学総論・実習と系別総合教育での病理学各論、5,6年次の病院病理部での臨床実習を担当しています。病理学総論・各論で病気を論理的に考える力を、臨床実習で自ら考え・行動する力を養うことを目標にしています。医療系大学院では「分子病理学」を担当し、病気の原因や発生機序を分子レベルで考える力を育成しています。

研究について

人体の様々な臓器から発生する悪性腫瘍を対象に、形態変化と遺伝子異常の観点から研究を進めています。主な研究テーマは、「β-カテニンシグナル伝達系による子宮内膜癌細胞の分化・増殖制御機構の解明」、「潰瘍性大腸炎における慢性炎症・発癌機構の証明」、「乳腺腫瘍の客観的病理組織診断システムの構築」、「悪性腫瘍の外科病理組織診断における免疫染色の有用性」であり、基礎と臨床医学の両面から研究を行い、新規診断・治療法の確立を目指した研究を行っています。

  • 病理学(三枝)単位:画像1

    β-カテニンは、E-カドヘリン系接着装置に属する分子ですが、ある種の条件下では核内に移行し、転写因子のTCF4と複合体形成を介して様々な遺伝子の 転写調節を行い、結果として腫瘍の発生・進展に関与するユニークな分子です。私たちは、ある種の子宮内膜癌で高率にβ-カテニン遺伝子異常が認められ、そ の結果、その転写制御系の撹乱による癌細胞の形態変化や増殖抑制が生じることを明らかにしました。これらの研究成果を足がかりに、多方面からβ-カテニン シグナル伝達系の機能解析を展開し、最終的には、β-カテニン遺伝子による子宮内膜癌の新規治療法の開発を目指します。

  • 病理学(三枝)単位:画像2

    潰瘍性大腸炎(UC)は原因不明の炎症性腸疾患であり、長期罹患で高頻度に前癌病変の異形成を経て大腸腺癌を併発します。私たちは潰瘍性大腸炎の慢性炎症巣でp53の早期変異を同定すると共に、炎症巣でのp53の過負荷状態を示してきました。炎症巣及びin vitroでの網羅的解析等分子生物学的手法と病理組織化学的な手法を通じて潰瘍性大腸炎発症及び腫瘍発生機構を明らかにし、その治療法開発へ寄与したいと考えています。

北里大学医学部 病理学(三枝)単位

教授:三枝 信 [β-カテニンシグナル伝達系の機能解析]
教授(KMC):山崎 等
診療教授:吉田 功 [消化管腫瘍と炎症性腸疾患の分子病理学]
准教授(北研病院):原 敦子 [乳腺腫瘍の統計学的画像解析]
講師:梶田 咲美乃 [甲状腺、乳腺増殖性病変の外科病理診断]
助教:松本 俊英 [婦人科腫瘍の分子病理学]
助教:犬飼 円
助教:井上 久子
大学院博士課程:秋谷 昌史(D3)
大学院修士課程M2:橋本茉実、横井愛香
大学院修士課程M1:三浦日南子
技術員: 橋村美紀、小栗康子

連絡先: 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
pathols@med.kitasato-u.ac.jp
三枝 信

教授:三枝 信

Makoto Saegusa, M.D., PhD.

担当科目:

病理学総論・実習、生殖機能・妊娠分娩系、病理学臨床実習

専門分野:

婦人科腫瘍病理学
肝臓病理学
癌細胞のシグナル伝達系

キーワード

子宮内膜癌、乳癌、大腸癌、潰瘍性大腸炎、脳腫瘍、画像解析、

細胞分化、細胞増殖、アポトーシス、免疫組織化学、β-カテニン

来たれ! ! 病理学研究室

私たちは、悪性腫瘍は勿論のこと、様々な非腫瘍性疾患にも幅広く対応する能力を備えた「病気のスペシャリスト」の集団です。また、組織形態観察から遺伝子機能解析まで、多方面にわたる研究に対応可能な技術と研究機器を備えております。基礎・臨床を問わず、病理学に興味のある方は遠慮なくお問い合わせください。

主な研究業績

  1. Yoshida T, et al. (2013) Transcriptional regulation of the alpha-1 type II collagen gene by nuclear factor κB/p65 and Sox9 in the chondrocytic phenotype of uterine carcinosarcomas. Hum. Pathol. in press.

  2. Saegusa M, et al. (2012) Transcriptional up-regulation of Sox9 by NF-κB in endometrial carcinoma cells, modulating cell proliferation through alteration in the p14(ARF)/p53/p21(WAF1) pathway. Am. J. Pathol. 181:684-92.

  3. Chaopotong P, et al. (2012) Nuclear survivin is associated with cell proliferative advantage in uterine cervical carcinomas during radiation therapy. J. Clin. Pathol. 65:424-30.

  4. Saegusa M, et al. (2012) Sox4 functions as a positive regulator of β-catenin signaling through upregulation of TCF4 during morular differentiation of endometrial carcinomas. Lab. Invest. 92:511-21.

  5. Saegusa M, et al. (2011) CITED2 is activated in ulcerative colitis and induces p53-dependent apoptosis in response to butyric acid. J Gastroenterol. 46:339-49.

  6. Saegusa M, et al. (2010) Transcriptional regulation of pro-apoptotic Par-4 by NF- k B/p65 and its function in controlling cell kinetics during early events in endometrial tumorigenesis. J. Pathol. 221:26-36.

  7. Saegusa M, et al. (2010) Pin1 acts as a modulator of cell proliferation through alteration in NF-κB but not β-catenin/TCF4 signalling in a subset of endometrial carcinoma cells. J. Pathol. 222:410-20.

  8. Saegusa M, et al. (2009) Requirement of the Akt/β-catenin pathway for uterine carcinosarcoma genesis, modulating E-cadherin expression through the transactivation of Slug. Am. J. Pathol. 174:2107-15. 

  9. Saegusa M, et al (2008) Transcription factor Egr1 acts as upstream regulator of β-catein signaling through up-regulation of TCF4 and p300 expression during trans-differentiation of endometrial carcinoma cells. J. Pathol. 216:521-32.

  10. Hara A, et al. (2008) Diagnostic and prognostic significance of cyclin A expression in low-grade astrocytomas: comparison with astrogliosis and high-grade tumors. J. Clin. Pathol. 61:287-92.

更新日:2017年05月22日