北里大学医学部教育研究単位免疫学単位

免疫学単位

免疫学単位 のHP

「T細胞の分化と機能」の研究を究極的には疾患の理解や治療に役立てる

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教育について

医学部3年次の免疫学総論・実習を担当しています.将来ベッドサイドで目の当たりにする膠原病・感染症・炎症性疾患の病態や治療をよりよく理解するため、免疫系・免疫担当細胞がどのように発生・分化するか,自己主要組織適合抗原拘束性に抗原を認識することにどのような意義があるのか,なぜ正常では自己に対する反応が回避されているのか,など基礎的な事柄を学びます.

研究について

T細胞の分化と機能を、疾患との関連を視野に入れつつ研究しております。

自然リンパ球,特にナチュラルキラーT (NKT)細胞と生活習慣病の関連

NKT細胞は,胸腺細胞上の非古典的主要組織適合抗原複合体(class Ib)分子で選択され,胸腺髄質上皮細胞の関与する成熟過程を経て生成します。後者の過程ではNF-kB-inducing kinase (NIK)が重要ですが,亜群により影響の受け方が異なります(ref 5)。NKT細胞の機能面については,特に脂質抗原認識能と動脈硬化症や内臓脂肪症候群の発症・進展との関連を研究しております(ref 8)。NKT細胞亜群によって,動脈硬化症や肥満などの進展に対して促進的(NKT)・抑制的(MAIT)に機能することを明らかにしましたが,メカニズムについてさらに研究を継続しています。最近,NKT細胞は脂肪細胞上のCD1d分子(+リガンド)を認識し,相互作用を通じ肥満の進展に影響を及ぼしていることを明らかにしました(ref 2:図はSatoh M, Iwabuchi K Adipocyte doi: 10.1080/21623945. 2016.1241913より)。

T細胞分化の研究

ウイルスなどの細胞内寄生性病原体の排除に重要な役割を果たしているCD8+ T細胞で,転写因子EomesoderminがどのようにしてCD8+ T細胞に細胞傷害機能を賦与するのか,CD4+ T細胞に強制発現したらキラーになるのかという視点から,個体レベルと分子レベル両面で解析をしています(ref 9)。また,NIKに変異を持つalymphoplasia (aly)マウスにおいて,CD8+ T細胞の機能自体には異常がないものの機能発現がうまく行われないことに着目し,この原因解明を目指しています。また,alyマウスにおける胸腺皮質・髄質上皮細胞の異常による胸腺内NKT細胞分化異常についてab, gd両サブセットについて詳細に解析しています(ref 7)。

③自己免疫疾患マウスモデルを用いた病態解析・実験治療

抗原誘発系のモデルとしてブドウ膜網膜炎モデル(EAU)や心筋炎モデル(EAMC)を用いて,病態と実験治療による軽快メカニズムについて研究しております(ref 1).またマウスループスモデルについての自己寛容破綻メカニズム(ref 6, 10),慢性肉芽種症モデルの骨髄移植による治療(ref 4)あるいはNiアレルギーモデル(ref 3)についても共同研究しております.

  • 免疫学単位:画像1

北里大学医学部 免疫学単位

北里大学医学部免疫学(岩渕)単位・大学院医療系研究科細胞免疫学
教授:岩渕和也(NKT細胞の分化と機能)
准教授:江島耕二(CTLの分化と機能)
講師:竹内恵美子(自己寛容の誘導機構)
助教:佐藤 雅(NKT細胞の分化と機能)
技術員:飯塚みさを
大学院博士課程:吉野和久(D1; 麻酔科)
大学院修士課程:三田一帆(M2)
大学院修士課程:藤田光紀(M2)
大学院修士課程:立山 緑(M2)
大学院修士課程:岩山俊嗣(M1)
大学院修士課程:小林秀策(M1)
大学院修士課程:三澤佳奈(M1)
卒業研究:大橋千尋(理学部4年)
医学研究論文:佐伯美帆(医学部6年)

連絡先: 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
immunol@med.kitasato-u.ac.jp
岩渕 和也

教授:岩渕 和也

Kazuya Iwabuchi

担当科目:

免疫学総論・実習

専門分野:

細胞免疫学

キーワード

メインストリームT細胞,細胞傷害性T細胞,自然T細胞,NKT細胞,自然リンパ球,胸腺内分化,正・負の選択,転写因子,自己免疫疾患,自己炎症性症候群,生活習慣病

研究室への参加募集

現在Trends in Immunology (Cell Press)のレビューを用いて心臓とMfのテーマで輪読会を大学院生と行っております(毎週金曜日午前10時半~12時).その他英語の免疫学教科書(Basic Immunology)を学部生と輪読していたこともありました(応再開)。学部生・大学院生・研修医いずれのレベルでも,免疫学に興味があって,勉強あるいは研究したいヒトはどうぞお気軽にお訪ね下さい.

主な研究業績

  1. Satoh M, Namba K-i, Kitaichi N, Endo N, Kitamei H, Iwata D, Ohno, Ishida S, Onoe K, Watarai H, Taniguchi M, Ishibashi T, Stein-Streilein J, Sonoda K-H, Van Kaer L, Iwabuchi K. Invariant natural killer T cells play dual roles in the development of experimental autoimmune uveoretinitis. Exp Eye Res 153: 79-89, 2016.

  2. Satoh M, Hoshino M, Fujita K, Iizuka M, Fujii S, Clingan CS, Van Kaer L, Iwabuchi K. Adipocyte-specific CD1d-deficiency mitigates diet-induced obesity and insulin resistance in mice. Sci Rep 6: 28473, 2016. doi: 10.1038/srep28473.

  3. Okuno H, Satoh M, Takeuchi E, Eshima K, Terashima M, Komotori J, Habu S, Tamauchi H, Iwabuchi K. Inhibitory function of NKT cells during early induction phase of nickel allergy. Immunobiol 221 (7): 833-8, 2016.

  4. Takeuchi Y, Takeuchi E, Ishida T, Onodera M, Nakauchi H, Otsu M. Curative haploidentical BMT in a murine model of X-linked chronic granulomatous disease. Int J Hematol 102 (1): 111-20, 2015.

  5. Noma H, Eshima K, Satoh M, Iwabuchi K. Differential dependence on NF-kB- inducing kinase among NKT cell subsets in their development. Immunology 146 (1): 89-99, 2015.

  6. Takeuchi E, Iizuka M, Tamura M, Takeuchi Y. Convinient evaluation of magnitude of glomerulonephritis in BXSB/Mp lupus mice. J Clin Cell Immunol 5(2): 1-7, 2014.

  7. Eshima K, Okabe M, Kajiura S, Noma H, Shinohara N, Iwabuchi K. Significant involvement of NF-kB-inducing kinase in proper differentiation of αβ and γδ T cells. Immunology 41(2): 222-32, 2014.

  8. Satoh M, Andoh Y, Clingan CS, Ogura H, Fujii S, Eshima K, Nakayama T, Taniguchi M, Hirata N, Ishimori N, Tsutsui H, Onoe K, Iwabuchi K. Type II NKT cells stimulate diet-induced obesity by mediating adipose tissue inflammation, steatohepatitis and insulin resistance. PLoS ONE 7(2): e30568, 2012.

  9. Eshima K, Chiba S, Suzuki H, Kokubo K, Kobayashi H, Iizuka M, Iwabuchi K, Shinohara N. Ectopic expression of eomesodermin renders CD4+ Th cells cytotoxic by activating both perforin- and FasL pathway.  Immunol Lett 144 (1-2): 7-15 2012.

  10. Takeuchi E, Shinohara N, Takeuchi Y. Cognate interaction plays a key role in the surveillance of autoreactive B cells in induced mixed bone marrow chimerism in BXSB lupus mice. Autoimmunity 44(5): 363-72, 2011.

更新日:2016年11月15日