北里大学医学部教育研究単位膠原病・感染内科学リウマチ/自己免疫グループ

膠原病・感染内科学

リウマチ/自己免疫グループ

関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)を中心とした自己免疫疾患の病態・病因の根幹を明らかにすることを目指しています。

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関節リウマチ(RA)

RAに関して、これまで我々は増殖滑膜細胞の前駆細胞と考えられる骨髄由来CD34陽性細胞のTNF-αに対する異常反応性があることを示してきました。さらに、RA患者の骨髄由来CD34陽性細胞において、我々はTNF受容体シグナル伝達に関与する複数の分子の発現が亢進していることを明らかにしました。今後はこれらの分子を遺伝子導入した安定発現細胞株の機能解析を行いつつ、RAの新規治療薬の開発も目指していきます。

自己免疫疾患

難治性であるSLEの神経精神病変に関連する抗リボソームP抗体・抗神経細胞抗体・抗グルタミン酸受容体抗体を中心に研究を行っています。これらの抗体の測定系を確立することにより、しばしば診断の困難なSLEの神経精神病変の新たな診断法の開発を目指しています。我々は、これらの抗体が免疫担当細胞や神経芽細胞腫細胞株表面と結合することを示し、さらに、それらの細胞の機能にいかなる影響をおよぼすかを詳細に解析しています。

我々は、RA患者骨髄由来CD34陽性細胞において、TNF受容体シグナル伝達に関与するNF-kB1, FKBP5およびKLF5のmRNAの発現が亢進していることを明らかにした。我々は、抗リボソームP抗体が活性化した単球表面と結合し、単球からTNF-αやIL-6の産生を促進することを示した。また、本抗体がTh1サイトカインであるIFN-γの産生を促進することを明らかにした。

  • リウマチ/自己免疫グループ:画像1

     

    関節リウマチ(RA)患者骨髄CD34陽性細胞では変形性関節症(OA)に比し、NF-kB1のmRNAの発現が亢進している。

  • リウマチ/自己免疫グループ:画像2

     

    抗リボソームP抗体(Anti-P)は対照IgGに比し、有意に末梢血単核球からのIFN-γの産生を促進する。

北里大学医学部 膠原病・感染内科学 リウマチ/自己免疫グループ

講師:永井 立夫
助教:小川 英佑
学生:佐久間 裕子(北里大学大学院医療系研究科)
学生:松枝 佑(北里大学大学院医療系研究科)

連絡先: 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
tnagai-tky@umin.net
永井 立夫

講師:永井 立夫

TATSUO Nagai, M.D., Ph.D.

担当科目:

感染免疫

専門分野:

膠原病・アレルギー学

将来の展望など

生物学的製剤の登場により、RAの治療目標が進行の抑制から寛解導入へと大きく変化しました。しかしながら、RAの病態や病因についてはまだまだ未解明の部分が多く、我々はRA患者の骨髄の異常に注目することにより、RAの病態・病因の根幹を明らかとし、さらには新規治療法を開発することを目指しています。自己免疫疾患の臨床症状の中で、診断や評価の難しいものについて、新しい診断法や治療結果の判定法を開発していきます。SLEの神経精神病変を中心に、自己免疫疾患の病態の根幹を明らかにしていきます。

主な研究業績

  1. Nagai T, et al: Anti-ribosomal P protein antibody induces Th1 responses by enhancing the production of IL-12 in activated monocytes. Mod Rheumatol Sep 8 [Epub ahead of print], 2010.

  2. Iizuka N, et al: Identification of autoantigens specific for systemic lupus erythematosus with central nervous system involvement. Lupus 19: 717-726, 2010.

  3. Matsushita R, et al: Enhanced expression of mRNA for FK506-binding protein 5 in bone marrow CD34 positive cells in patients with rheumatoid arthritis. Clin Exp Rheumatol 28: 87-90, 2010.

  4. Hirohata S, et al: NPSLE Research Subcommittee. Accuracy of cerebrospinal fluid IL-6 testing for diagnosis of lupus psychosis. A multicenter retrospective study. Clin Rheumatol 28: 1319-1323, 2009.

  5. Hirohata S, et al: Enhanced expression of mRNA for Kruppel-like factor 5 in CD34+ cells of the bone marrow in rheumatoid arthritis. Ann Rheum Dis 68: 763-764, 2009.

  6. 永井立夫,廣畑俊成:抗リボソームP抗体はヒト単球系白血病細胞株THP-1からのVEGF産生を亢進する.臨床リウマチ, 21: 151-156, 2009.

  7. Hirohata S, et al: Differential influences of bucillamine and methotrexate on the generation of fibroblast-like cells from bone marrow CD34+ cells of rheumatoid arthritis patients. Int Immunopharmacol 9: 86-90, 2008.

  8. Hirohata S, et al: Association of cerebrospinal fluid anti-ribosomal P protein antibodies with diffuse psychiatric/neuropsychological syndromes in systemic lupus erythematosus. Arthritis Res Ther 9: R44, 2007.

  9. Hirohata S, et al: Enhanced expression of mRNA for nuclear factor kappaB1 (p50) in CD34+ cells of the bone marrow in rheumatoid arthritis. Arthritis Res Ther 8: R54, 2006.

  10. Nagai T, et al: Anti-ribosomal P protein antibody in human systemic lupus erythematosus up-regulates the expression of proinflammatory cytokines by human peripheral blood monocytes. Arthritis Rheum 52: 847-855, 2005.

更新日:2016年04月01日