北里大学医学部教育研究単位病理学(村雲)単位

病理学(村雲)単位

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遺伝子・蛋白レベルの研究から臨床病理学的研究まで:病態の解明を目指す

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教育について

 医学部3年生の病理学総論・実習と系別総合教育での病理学各論・実習、5、6年生の病院病理部での臨床実習と6年生の総合講義を担当しています。3年生の病理学は、正常と比較してどこが異常なのか、それによりどのような病態が起こるのかを理解することを目指します。5,6年生の実習では実際の病理診断業務を経験し、病院という組織の中での病理部の役割・病理診断の重要性を理解することを目指します。また、6年生の総合講義を通じて国家試験合格率の向上に努めています。
 医療系大学院では「生体反応病理学」を担当し、一つの原因に起因する様々な生体の反応が病気を形成していることを理解し、病気を病態として考える力をつけることを目指します。

研究について

 ヒトの多くの病気では、様々な遺伝子に変異が存在したり、遺伝子・蛋白発現、蛋白翻訳後修飾などに異常が起きています。本研究室では、このような遺伝子・蛋白レベルの異常を捕らえ、病気が発症するメカニズムを解明していくことを目指しています。そのため、遺伝子・蛋白レベルの分子生物学的研究、マウスなどの実験動物を用いた個体における研究、臨床検体を用いた病理学的研究を広く展開しています。研究テーマとして
1.分子生物学的研究
DNA損傷応答と発癌・癌治療との関連、癌特異的高発現を示す分子の発癌への関与、分子標的抗腫瘍療法耐性のメカニズムについての解析
2.実験動物を用いた研究
ノックアウトマウス、トランスジェニックマウスを用いたDNA損傷関連遺伝子の機能解析
3.臨床病理学的研究
消化器系・肝胆膵の炎症性疾患と発癌の分子メカニズムの解析、肺腺癌の浸潤・転移に関与する因子の同定、神経内分泌学的特性を持つ肺癌・胃癌の臨床病理学的研究、化学療法耐性の分子メカニズムについての解析
があります。将来の臨床応用を目指した基礎研究を行っています。

  • 病理学(村雲)単位:画像1

    REV7(別名:MAD2L2、MAD2B)は様々な蛋白と相互作用することにより、DNA修復、遺伝子転写、細胞周期調節、発癌に関与している蛋白です。その中でも、DNA修復に大きく関与し、DNA損傷後の細胞生存においては重要な働きをしていることが明らかとなっています。私たちは2000年にヒトREV7遺伝子を同定してから、DNA修復におけるREV7の重要性を明らかにしてきましたが、最近ではREV7遺伝子の発現と悪性腫瘍の増殖、抗癌剤の有効性について研究を進めています。また、REV7ノックアウトマウス、REV7トランスジェニックマウスにより、個体での機能解析を行っています。将来の分子標的治療への応用を目指しています。

  • 病理学(村雲)単位:画像2

    ヒト癌では、その発生、発育、進展において、様々な癌遺伝子の変異や発現異常、細胞周期制御因子や細胞接着因子の発現異常が生じています。私たちは潰瘍性大腸炎関連癌、肺癌、胆嚢癌、胃癌、前立腺癌などについて、これらの異常を同定し、臨床病理学的事項との関連を調べています。さらに、これらの結果から、化学療法や分子標的治療薬に対する腫瘍組織の感受性などの、実際の臨床に還元できる知見を得ることも目標としています。

  • 病理学(村雲)単位:画像3

    病理学(村雲)単位のメンバー

北里大学医学部 病理学(村雲)単位

教 授:村雲 芳樹:DNA損傷と発癌、癌特異的高発現を示す分子の機能解析
准教授:蒋 世旭:肺癌、特に神経内分泌性肺癌の臨床病理学的と分子病理学的研究
講 師:栁澤 信之:胆嚢発癌、前立腺癌、膵癌
講 師:一戸 昌明:消化管病理、胃発癌と化学療法に対する治療効果関連因子の研究
助 教:仲田 典広、櫻井 靖高
大学院生:翁 祖誠(博士課程・血液内科)、横山 真喜(博士課程・血液内科)、高村 永梨奈(修士課程)
卒研生:朝比奈 晴香
技術員:沼田賀子、梅澤敦子

連絡先: 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
murakumo@med.kitasato-u.ac.jp
村雲 芳樹

教授:村雲 芳樹

Yoshiki Murakumo, M.D., Ph.D.

担当科目:

病理学総論・各論、病理学臨床実習

専門分野:

分子生物学、腫瘍病理学、DNA損傷と発癌、細胞内シグナル伝達の異常と発癌

当研究室では、北里大学病院の病理診断を日常業務として行いながら、臨床病理学的研究、分子生物学的研究を行っています。すべての人の疾患は細胞レベルのミクロの異常が原因です。病理診断の訓練により疾病をミクロのレベルから形態学的にイメージすることができるようになります。病理診断にて気が付いた疑問点について、免疫染色やマイクロアレイ解析、プロテオーム解析などを駆使して病理学的に解析していくことができます。さらに、遺伝子工学を用いた新規遺伝子クローニング、培養細胞を用いた蛋白機能解析、遺伝子改変マウスなどの実験動物を用いた個体での解析など、分子生物学的、細胞生物学的研究も行っています。それにより得られた知見を臨床材料を用いて病理学的に解析していくこともできます。遺伝子、蛋白レベルの研究から、実験動物、ヒト疾患の病理学的解析まで、幅広い研究ができる研究室です。

キーワード

発癌、炎症、消化器癌、肺癌、胆嚢癌、潰瘍性大腸炎、免疫組織化学、プロテオーム、癌遺伝子、癌抑制遺伝子、細胞培養、動物実験、遺伝子改変マウス、DNA損傷、細胞内シグナル伝達、TGFβシグナル

大学院生・研究生大募集!

当研究室では、培養細胞を用いた分子生物学的研究、実験動物を用いた個体での研究と臨床病理学的研究を幅広く展開しています。遺伝子・蛋白レベルの研究に興味があるが動物実験や臨床検体での研究も行いたい、臨床病理学的研究に興味があるが遺伝子の勉強もしたい等、様々な希望に柔軟に対応できます。基礎医学研究から臨床病理学的研究まで、興味のある方は、是非ご連絡下さい。

主な研究業績

  1. Yanagisawa N, Hana K, Nakada N, Ichinoe M, Koizumi W, Endou H, Okayasu I, Murakumo Y. High expression of L-type amino acid transporter 1 as a prognostic marker in bile duct adenocarcinomas. Cancer Med. 2014, in press.

  2. Kato T, Enomoto A, Watanabe T, Haga H, Ishida S, Kondo Y, Furukawa K, Urano T, Mii S, Weng L, Ishida-Takagishi M, Asai M, Asai N, Kaibuchi K, Murakumo Y, Takahashi M. TRIM27/MRTF-B-Dependent Integrin β1 Expression Defines Leading Cells in Cancer Cell Collectives. Cell Rep. 7:1156-67, 2014.

  3. Niimi K, Murakumo Y, Watanabe N, Kato T, Mii S, Enomoto A, Asai M, Asai N, Yamamoto E, Kajiyama H, Shibata K, Kikkawa F, Takahashi M. Suppression of REV7 enhances cisplatin sensitivity in ovarian clear cell carcinoma cells. Cancer Sci. 105:545-52, 2014.

  4. Nakada N, Mikami T, Hana K, Ichinoe M, Yanagisawa N, Yoshida T, Endou H, Okayasu I. Unique and selective expression of L-amino acid transporter 1 in human tissue as well as being an aspect of oncofetal protein. Histol Histopathol. 29:217-27, 2014.

  5. Masuzawa M, Mikami T, Numata Y, Tokuyama W, Masuzawa M, Murakumo Y, Okayasu I, Katsuoka K. Association of D2-40 and MMP-1 expression with cyst formation in lung metastatic lesions of cutaneous angiosarcoma on the scalp: immunohistochemical analysis of 23 autopsy cases. Hum Pathol. 44:2751-9, 2013.

  6. Mikami T, Nemoto Y, Numata Y, Hana K, Nakada N, Ichinoe M, Murakumo Y, Okayasu I. Small gastrointestinal stromal tumor in the stomach: identification of precursor for clinical gastrointestinal stromal tumor using c-kit and α-smooth muscle actin expression. Hum Pathol. 44:2628-35, 2013.

  7. Xu CJ, Mikami T, Nakamura T, Tsuruta T, Nakada N, Yanagisawa N, Jiang SX, Okayasu I. Tumor budding, myofibroblast proliferation, and fibrosis in obstructing colon carcinoma: the roles of Hsp47 and basic fibroblast growth factor. Pathol Res Pract. 209:69-74, 2013.

  8. Watanabe N, Mii S, Asai N, Asai M, Niimi K, Ushida K, Kato T, Enomoto A, Ishii H, Takahashi M, Murakumo Y. The Rev7 Subunit of DNA Polymerase ζ Is Essential for Primordial Germ Cell Maintenance in the Mouse. J Biol Chem. 288:10459-71, 2013.

  9. Yanagisawa N, Ichinoe M, Mikami T, Nakada N, Hana K, Koizumi W, Endou H, Okayasu I. High expression of L-type amino acid transporter 1 (LAT1) predicts poor prognosis in pancreatic ductal adenocarcinomas. J Clin Pathol. 65:1019-23, 2012.

  10. Ichinoe M, Mikami T, Yoshida T, Igawa I, Tsuruta T, Nakada N, Anzai N, Suzuki Y, Endou H, Okayasu I. High expression of L-type amino-acid transporter 1 (LAT1) in gastric carcinomas: comparison with non-cancerous lesions. Pathol Int. 61: 281-9, 2011.

更新日:2014年10月21日