北里大学医学部教育研究単位生理学(高橋)単位

生理学(高橋)単位

生体現象の計測手法の新規開発を通して、生理活性物質の放出機構を解明する

印刷する

教育について

1年生を対象とする「細胞生物学」では、細胞の活動性を規定する膜電位の形成機構につき紹介する。2年生の「生理学講義」では、生体が内部の恒常性を保つシステムにつき、分子細胞レベルのミクロな知見から臓器システムのマクロな知見まで、統合して理解することを目指す。主に循環・内分泌・腎臓・消化吸収の項目を担当する。「生理学実習」では講義内容の理解を深めるとともに、生理学的な知見が積み重ねられてきた一端を経験し、実験結果の統計解析やパワーポイントを用いた発表、質疑応答の機会を設定する。3年生の器官系別講義では腎内分泌領域を担当する。

研究について

血糖調節機構を中心に、生体が外界の変動に反応して内部環境を調節するシステムについて、関連分子の動態解析を通して解明をはかる。生きた個体における生理現象の測定法を新規に開発し、その運用を通して糖尿病医療へ応用する可能性を模索する。

インスリンは個体の代謝・成長に重要な役割を担い、その分泌異常は糖尿病の成因に深く関連する。分泌の速さや確率が、さまざまな生理的状況下で調節されるメカニズムにつき、生体の深部観察に適した2光子顕微鏡を用いて検討する。分泌現象の可視化と並行して、主要な調節因子と目されるカルシウムやcAMPの細胞内濃度を実時間測定するために、蛍光プローブを適宜改変して活用する。単離β細胞や摘出膵島を対象とする検討系も併せ持ちつつ、今後は生きた個体におけるインスリン分泌動態を解析し、自律神経の寄与や新規薬剤の効果を判定できる計測系の構築を目指す。実験の遂行に当たっては東京大学大学院医学系研究科構造生理学部門と連携して、共同研究と機器利用を予定する。腎臓尿細管におけるイオン輸送機構の解析も継続して推進し、イメージング手法や免疫組織化学、In situ ハイブリダイゼーション法、発生工学などを組み合わせて解明する。

  • 生理学(高橋)単位:画像1
  • 生理学(高橋)単位:画像2

    河原克雅名誉教授 主催 2015Kitasato-Yale Fluid Symposium: Molecular Control of Cellular and Epithelial Functionの会場風景

北里大学医学部 生理学(高橋)単位

教授:高橋 倫子   膵内分泌の生理 開口放出の分子機構
講師:安岡 有紀子  腎尿細管におけるイオン輸送
助教:福田 英一   脈絡叢におけるイオン輸送
教育系技術職員:大嶋 友美  生理学 発生生物学
連絡先メールアドレス:ntakahas[at]med.kitasato-u.ac.jp [at]を@に変えて送信下さい。

連絡先: 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
高橋 倫子

教授:高橋 倫子

Noriko Takahashi, MD, PhD, Professor

担当科目:

生理学、生理学実習、細胞生物学

専門分野:

細胞分子生理学、内分泌学、糖尿病学

キーワード

内分泌 開口放出 膜融合 膵臓 インスリン 自律神経 糖尿病 生活習慣病 遺伝子改変マウス 蛍光プローブ 2光子励起顕微鏡 蛍光寿命 腎尿細管 イオン輸送体 酸塩基調節 免疫組織化学

主な研究業績

  1. Takahashi N, Sawada W, Noguchi J, Watanabe S, Ucar H, Hayashi-Takagi A, Yagishita S, Ohno M, Tokumaru H, Kasai H. Two-photon fluorescence lifetime imaging of primed SNARE complexes in presynaptic terminals and β cells. Nat Commun. 2015 Oct 6;6:8531.    

  2. Yasuoka Y, Sato Y, Healy JM, Nonoguchi H, Kawahara K. pH-sensitive expression of calcium-sensing receptor (CaSR) in type-B intercalated cells of the cortical collecting ducts (CCD) in mouse kidney. Clin Exp Nephrol. 2015 Oct;19(5):771-82.    

  3. Takahashi N. Imaging analysis of insulin secretion with two-photon microscopy. Biol Pharm Bull. 2015;38(5):656-62.    

  4. Yasuoka Y, Kobayashi M, Sato Y, Zhou M, Abe H, Okamoto H, Nonoguchi H, Tanoue A, Kawahara K. The intercalated cells of the mouse kidney OMCD(is) are the target of the vasopressin V1a receptor axis for urinary acidification. Clin Exp Nephrol. 2013 Dec;17(6):783-92.    

  5. Yasuoka Y, Kobayashi M, Sato Y, Nonoguchi H, Tanoue A, Okamoto H, Kawahara K. Decreased expression of aquaporin 2 in the collecting duct of mice lacking the vasopressin V1a receptor. Clin Exp Nephrol. 2013 Apr;17(2):183-90.    

  6. Takahashi N, Hatakeyama H, Okado H, Noguchi J, Ohno M, Kasai H. SNARE conformational changes that prepare vesicles for exocytosis. Cell Metab. 2010 Jul 7;12(1):19-29.

  7. Takahashi N, Hatakeyama H, Okado H, Miwa A, Kishimoto T, Kojima T, Abe T, Kasai H. Sequential exocytosis of insulin granules is associated with redistribution of SNAP25. J Cell Biol. 2004 Apr 26;165(2):255-62.    

  8. Takahashi N, Kishimoto T, Nemoto T, Kadowaki T, Kasai H. Fusion pore dynamics and insulin granule exocytosis in the pancreatic islet. Science. 2002 Aug 23;297(5585):1349-52.    

更新日:2017年11月21日