学部長の元気対談

野田哲生 ≪(財)癌研究会 癌研究所 所長(分子遺伝学)≫

略歴:

1954年仙台市生まれ。1980年3月東北大学医学部医学科卒業。1984年3月 医学博士(東北大学)。1984-85年 米国国立がん研究所(NCI)フレデリック癌研究施設留学。1985.10-1988.5京都大学ウィルス研究所助手。1988.6-1990.10米国MITホワイトヘッド研究所留学。1990.11-1997.6(財)癌研究会癌研究所細胞生物部部長。1997.7-2002.10東北大学大学院医学系研究科分子遺伝学分野教授、同附属創生応用医学研究センター長を経て、2006.1.1.癌研究所副所長。同年4.1から現職。
「変異マウスを用いた発癌制御遺伝子の解析」や生体組織の分化に関わる重要な遺伝子の解析に多くの先端的業績有り。第66回(2007年)日本癌学会学術総会幹事。日本癌学会理事長。

場所・日時:
小田急ホテルセンチュリー相模大野(2010.12.7 [新春対談として収録])

対談要旨

近年の分子遺伝学的解析の成果により、ヒトの発がんに関与する遺伝子異常の多くは、いわゆるシグナル伝達系で機能する遺伝子の変異や発現異常であることが明らかとなっており、すでに幾つかの阻害薬が実際のがん治療に用いられている。しかし、そのシグナル伝達異常ががん細胞にいかなる形質変化を与えているのか?という点に関しては、未だ不明な点が多い。特に、今、ヒトがんの治療戦略を考える上で、ヒト個体内におけるがんの動態とシグナル伝達との関係を、より深く理解することが求められている。個体内でのがんの動態、特に、「がんの微小環境」や「がん幹細胞」におけるシグナル伝達異常機構を明らかにし、新規治療薬の開発に役立てたい。

(和泉)明けましておめでとうございます。

(和泉)北里大学医学部・医療系研究科ならびに大学病院・東病院は、連携して癌患者の治療、腫瘍専門医の育成に力を注いできました。
本日は、2007年「北里祭」の初日に開催された第33回北里医学会総会の招待講演者、野田哲生先生に、「今後のがん治療戦略」についてお話を伺うことにしました。
医学部からはがん治療と抗がん薬開発研究に携わっておられる新進気鋭の2教授(小泉和三郎教授(消化器内科学)、佐藤之俊教授(呼吸器外科学)に、同席をお願いしました。


1. がんプロフェッショナル養成プラン(文部科学省:H19-23年度)
  http://www.kitasato-u.ac.jp/daigaku/kaikaku/gan.html
2. 新規抗がん療法の研究開発(NEDO: H22-24年度)
3. 地域がん診療連携拠点病院(厚生労働省: H22. 4. 1-H26. 3. 31)
  http://www.kitasato-u.ac.jp/khp/hospital/gankyoten/


(和泉)ハーセプチンなどの有望な抗がん薬が開発されて心強い限りですが、21世紀の分子標的薬開発の現状とがん治療戦略について教えて下さい。
(野田)多くの抗がん薬は、発癌機構の元を叩くわけではありません。がん化した後の細胞増殖を停滞させ、細胞死を誘導する薬として開発されています。癌研究所所長の立場から申しますと、少なくとも20年先には「がんは治せる病気」という研究目標を立てて治療薬開発研究を行っています。
(小泉)われわれが開発した進行胃癌に対するS1+シスプラチン剤併用療法は、薬の細胞毒性の特徴を上手に組み合わせ、良好な治療成績を上げてきました。現在、日本の胃がん治療の標準療法になっています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsco2007/200711/504779.html
また、北里大学東病院は、経済産業省の「橋渡し研究拠点病院」に採択され(NEDO)、新規の分子標的薬(LAT1阻害薬)の有効性を確かめているところです。
(佐藤)われわれは、外科医の立場から、早期癌に対しては、患者さんの身体的負担を軽減するよう、胸腔鏡手術(低侵襲手術)を推進しています。 一方、進行癌の場合は、手術に加え化学療法および放射線療法を組み合わせる集学的治療を行っています。とくに、肺癌術後の補助化学療法は、呼吸器内科との密な連携により安全に施行しています。
http://www.kitasato-u.ac.jp/khp/section/sinryoka/kokyukig/

<中略>
...

北里の学生に元気の出る一言(小泉)
現在、さらに強力な3剤併用DCS療法(北里発)もJCOG(日本臨床腫瘍グループ)に採択され、大規模臨床試験の準備が進んでいます。
Making Kitasato Historyを合言葉に、世界にエビデンスを発信しよう。

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